つるみゆいまーる 下里優太さん

 「ゆいまーる」とは沖縄の方言(うちなーぐち)で「助け合い」という意味があります。

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おきなわ物産センター 下里優太

沖縄から遠く離れた鶴見になぜ沖縄の人がたくさん住んでいるのでしょうか

 戦前、さとうきび生産が中心産業だった沖縄。
 凶作等で生活難を強いられた人々が働き口を求め、大企業が進出している鶴見へと移住してきました。
 当時、京浜工業地帯の地域に住む人々にとって、沖縄の人たちは異国の人のように扱われました。
 ことばや風土の「違い」により、希望する仕事に就けなかったり、銀行に口座を開設できなかったりする等の差別を受けた現実。
 そのような経緯があり、鶴見に暮らす沖縄の人々は皆助け合って暮らしていきました。

つるみゆいまーるとは

 1953年に親睦や沖縄文化継承などを目的とし、「横浜・鶴見沖縄県人会」が発足されました。
 発足から70年ほどたった今、会員の高齢化が進み会を維持していくために青年部が結成され、現在では沖縄の文化が好きな人たちも賛助会員として受け入れることになったそうです。
 その延長線に県人会と県人会のある自治会商店街とともに、鶴見の沖縄文化の伝承と発展のために「つるみゆいまーる」が発足されました。
 今まで県人会とその地域の自治会の会員のみで開催していた行事やイベントに、興味がある人であれば誰でも参加できるようにと広く情報発信するようになりました。さらに、イベント等に来てくださった人たちに沖縄の文化体験ができるようにしようと試行錯誤しているそうです。
 また、横浜・沖縄県人会のある建物は老朽化のため新しく建直しが予定されています。現在1階にある「おきなわ物産センター」が中心となり、沖縄の食やお買い物、文化体験が今まで以上に楽しめる予定になるそうです。

~取材メモ~

 

 沖縄県人会青年部の構成員の7割の方が南米につながりのある方々だそうです。
 南米から鶴見へと来た人たちは現地でうちなーぐち=日本語として代々受け継いできており、日本にきて日本語として教えられていた言葉が日本で通じず、うちなーぐちだと来日て知る方が多く、下里さんも分からないうちなーぐちを知っていると教えていただきました。
 鶴見には沖縄文化がたくさんあります。
 現地沖縄も消えつつある沖縄角力(おきなわずもう)が鶴見では今も受け継がれ毎年大会も開催されています。伝統文化と今の鶴見の沖縄文化を残すために沖縄角力の優勝を目指す青年と歌手を目指す女性の物語「だからよ~鶴見」(主演:ガレッジセール川田広樹さん)という映画も制作されました。
 そしてなんといっても下里さんが委員長を務める「鶴見ウチナー祭」です。
 沖縄と南米の食と芸能の文化がギュッと凝縮されたお祭りです。
 鶴見にしかない鶴見じゃないと体験できない文化です。
 とても楽しいイベントなので開催された際は是非皆さんに見て聞いて食べて、楽しんでいただきたいです。

おきなわ物産センター

  • 住  所:横浜市鶴見区仲通3-74-14
  • 電話番号:045-504-7816
  • HP:https://okinawa-bussan.net